プリントオンデマンドにご注意を - 2021年06月21日 01:06

意識的調整実践センター

プリントオンデマンドにご注意を

2020年07月28日 by tomo

パブリックドメイン化された本が質の悪いスキャンで出回っています。FMの著作では以下の3冊がありました。

  • Man's Supreme Inheritance (1910)
  • Man's Supreme Inheritance (1918)
  • Consctructive Conscious Control (1923)

この中には粗悪なコピー本もあります。1出版社名は複数あるのであげませんが、これらは単に図書館などでスキャンしただけの原稿をプリントオンデマンド(POD)で販売しているようです。価格も現在流通している版と同程度なので、わざわざ初版を買う必要性がある人以外はPODで購入する必要はありません。購入する前によく調べましょう。通常は英語だとMouritz社版、日本語版では風媒社版とFM書店版をおすすめします。

FMの著作権保護期間に関してはまた別に紹介しますが、日本の著作権に従うと国内に限れば全著作がPDになっています。没年があと2年遅いか、TPPの成立が早ければこの期間も70年に延長されてPDになりませんでした。デューイやコギルも国内ではPDです。ハクスレーなどFMの生徒の著名人はまだ満期となっていないので取り扱いに気をつける必要があります。

また国内でPD化されたとはいえ、インターネット上での取り扱いが問題です。当時の著作権法は紙媒体での流通が前提になっています。そのため、国内のサーバーにある場合は国内扱いなのか、マーケットが国内限定なら国内扱いなのか、サーバーが海外でもマーケットが国内限定ならどうなのか。おそらく解釈次第です。

さて、プーさんの原作を書いたA. A. ミルン(没年1956年)の例をみると、青空文庫では翻訳が掲載されています。底本はPD化されたカナダ(没後50年)のものから使用とあります。また角川文庫からは新しい挿絵2で角川文庫から販売されています。FMはミルンの一年前に亡くなっているので、同様の方針で出版や掲載が可能のように思えます。3

個人で出版ができる時代です。独自性をもたせるなら、解説や註釈を入れたらいいでしょう。とにかくFMの文章4国内ではPDなので、現在の日本語版に納得されない場合は、ご自身で翻訳して発表されるのも一手ですね。出版されたら購入するので、いろいろバリエーションができると面白いですね。

それにしても、現在はFMが存命中の原本が枯渇気味です・・・。


  1. Man's Supreme Inheritanceのみ中身を確認しました。ページが折れたままだったり、判読できない汚れがありました。 ↩︎

  2. 挿絵作者の保護期間は満了していないため。 ↩︎

  3. 私が所属しているチームでは、国内での取り扱いについてFMの著作権保持者と仲介人を通した連絡によって使用可能か確認しました。他の方が取り扱う場合は各自で改めて確認が必要だと思います。 ↩︎

  4. つまり、現在流通している版の編集者による文章や註釈は別の使用許可が必要です。したがって、PDとして使用するならFMが存命時に出したものを底本にすると確実です。 ↩︎