第8回ATK中国地区勉強会

今回から毎月行う予定になった勉強会です。『人類の最高遺産』第一部 第七章「人類文化と子どもの訓練」、『テクニークの真髄・アレクサンダーテクニーク、私はこのように観る』第二章「このテクニークを習得するには」をおこないました。毎回少人数で議論と実践を研究しています。

人類文化と子どもの訓練

子どもの学習についてFM氏は第一に模倣、第二に規則と直接管理的な指示の二つの手法を示しています。模倣は周囲の環境に適応しようと幼少期に積極的におこなわれていますが、大人でも同様に模倣はされているでしょう。幼少期は特にそのモデルになる人の使い方によって様々な習慣が形成され、そこでは必要なものも不要なものも習得されることになります。FM氏は「父母の性格を分析して欠点や悪癖が判明した時でさえ、その子ども達には適正な訓練をすれば予防できる(p.126)」と述べています。

子どもが悪癖を習得する例として砂糖を加えた人工授乳(pp.126-127)が挙げられており、「赤ちゃん時代でさえ、ある種の規則と矯正がもたらされるべき(p.127)」だと述べています。ネグレクトは問題として明確になりやすいけれども、不必要に構い過ぎることも問題だということになります。模倣によって無意識に習慣化された使い方に気づくには外からの手助けが必要かもしれません。

この章ではその他に右利き優先主義の話が出てきます。伝記によればFM氏は左利きで、書く時に右手で書くように自己訓練をしたようです(F.M.: The Lif of Frederick Matthias Alexander, p.23)。現代では左利きを矯正することは一昔前の教育になっています。時代や文化の背景が違うため、いくつかの話はFM氏の生きていた当時と異なり、古いし馴染みがないと感じるものもあるかもしれません。それでもこういった事例を現代社会の問題に置き換えて利用できそうです。

FM氏は教育において、「心身の使い方を培うことが第一に必須」だと考えており、誤った考えが子供らに伝えられてしまったとき、「教師は痛みを共有し、こうした先入観を理解した上でその部分と関わるにあたり、そのまま上塗りするのを避け、そうした先入観を出来るだけ取り除き、そして初めて、教えたり新たに適正な考えを伝達したりすべきだ」と述べています(p.149)。FM氏はアイリーン・タスカー女史と1924年にリトルスクールを立ち上げており、子どもの教育に関わってきました。FM氏が子ども達の教育に期待していたことは次の一節からわかります。

私の求めるものは子どもたちを訓練する手法であると既にわかっており、その手法を通せば、子どもは自らの肉体の御者となるだろう、すなわち、子どもがそのように教えられ訓練される時が来るのを私は待ち望んでいて、後ほど彼らがどんな環境に置かれたとしても、無駄な努力をすることなしに自分で環境にうまく適応して、喜びを持って、完全に健康な精神と肉体で人生を送れるようにあって欲しい。(p.156)

このテクニークを習得するには

第一世代の一人、パトリックーマクドナルド氏の著作『アレクサンダーテクニーク、私はこのように観る(The Alexander Technique as I see it)』を今回から始めました。『自己の使い方』を一通りやったので第一章「アレクサンダーの発見」は後回しにしています。用語についてマクドナルド氏によると「用語として「抑制」・「頭を前に上にやる」・「背中が長く広くなる」などを使ったのはアレクサンダー氏であり、他にやりようが内から専門用語にして自分の考えを伝達しようとしたまでで、そうした用語が意味を持つとしても限定的に、生徒としての実体験があり当該テクニークを訓練したことのある者に対してである。もう一つこころにとめておくべきことがあり、こうした意味は固定されているどころか逆に、時と共に成長し実体験が増加するにつれて変わることだ。(p.74)」とあります。

体験に即してた言語的な指示を教師から与えられた生徒は復唱するしかなく、「努力して意味付けするなどまったくしてはいけない」とマクドナルド氏(p.75)。あてにならない感覚的評価(faulty sensory appreciation)という用語がレッスンの中で説明されるかもしれませんが、知覚したことに対するこの評価があてにならないので、例えば「首が楽に」と方向付けがあっても失敗することになります。そこでマクドナルド氏は、「初期段階における生徒が試みなくてはいけないのは、あえて自分の感じに注意を払わないこと(p.75)」だと述べています。初期段階ではもしかしたらこの考えは有効に働くかもしれませんが、いつまでもそれをそのまま継続してよいものでしょうか。

習得に必要なものとして「受容(少なくともまず理論的に、その後で実践的に)することになり、それは完全に正反対なやり方であり、身体について考えられたりワークされたりしてきたことの裏返しになる、とわかるとだろう(p.82)」とマクドナルド氏は述べています。様々な信念体系や先入観などそういったもので習慣的に懐疑的になるのを抑制してまずは受け入れてみるというのが必要だということのようです。

原本の昨年出版された新版にはマクドナルド氏がワークをしているDVDが付属しています。興味がある方は合わせてご覧になると参考になるかもしれません。本書はワークに来てくださった方に内部資料としてお渡ししています。

このテーマを担当したRieさんのまとめです

お知らせ

一般社団法人アレクサンダーテクニーク教師会全体の勉強会は年に2回の開催ですが、中国地区の地区勉強階は毎月開催しています。また、当教室では子どもの学校・ATJエスクールと意識的調整教師(アレクサンダーテクニーク教師)になりたい方・興味のある方向けのプレトレーニングワークショップも毎月第1日曜日(11/6・12/4)に開催しています。ご質問等あればお問い合わせください。

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