The Use of the Self

"The Use of the Self"は"Man's Supreme inheritance"、"Constructive Conscious Control of the Individual"に続くFM=アレクサンダーの三作目の著作です。日本語では『自己の使い方』です。前の二作に続けてジョン=デューイが紹介文を書いています。1931年にアレクサンダーの監督下で教師養成コースが開設、同年にMethuenから米国で『自己の使い方』の初版が発表、その付録に教師養成コースに関する公開書簡が掲載され、1932年に英国・米国共に本書を発表。この辺りの時代を考えると、本書は練習生にとっても非常に重要だと思われます。アレクサンダーの著作の中では、一番薄くて読みやすいことからアレクサンダーテクニーク(AT)教師から練習生や生徒に読むように勧められる機会が多く、当時も最初にレッスンに来る生徒さんへ読むように、よく勧められたようです。

第一章には、アレクサンダーが原理を発見した過程が書かれています。彼の陥った問題から始まり、原因の追及、繰り返される観察と実験、最終的に自己の使い方が変わっていく手順が書かれています。FM氏の場合は「声が出ないこと」が問題点でしたが、どんな人でも置き換えて実験可能です。いくつのか資料から推測すると失声の問題自体は2~3年ほどで解決していたようです。第二章では感覚的評価との関連で使い方と機能について述べています。彼はこの主題について"Constructive Conscious Control of the Individual"で詳しく解説しました。第三章と第四章は主にケーススタディとなっており、ゴルファー氏と吃音の人について書かれています。最後の第五章の「診断と医学的な訓練」では医学と当該原理の教育の差などについて書かれています。彼は著作全体にわたって"psycho-physical organism"(心身有機体)という用語をよく使っており、心身は分離できないもの・相互関係にあるものだと言っています。

・・・「精神的」問題か「肉体的」問題か、どちらかひとつに診断でき、治療にあたっても、「精神的」か「肉体的」か、どちらか決定した線に沿えばそれでよしと思い込んでいた。しかしながらその後、この思い込みを放棄せざるを得ないところへ自らの実践と体験で導かれていった。` s=`F.M.アレクサンダー - 私家版『自己の使い方』、pp.38-39

本書は一度ワークを受けた方には自習教材になります。これからワークを受けようとお考えの方も読むと参考になるかもしれません。

現在入手可能なものは、Orion出版の"The Use of the Self"、晩成書房出版の『自分のつかい方』、Alexander Technique Japan(ATJ)発行の私家版『自己の使い方』があります。Orion版には第一世代教師のウィルフレッド=バーロウの紹介文があります。『自分のつかい方』はOrion版を原本にしており、バーロウの紹介文の翻訳も載っています。『自己の使い方』には第一章の解説とアレクサンダーテクニークで使われる用語集が付いており、紹介文は1984年Centerline Press版の"The Use of the Self"にあるマージョリー=バーストー(アレクサンダーの姪)が書いたものです。

私家版『自己の使い方』はATJのテキストセット(Just Use Naturally "TEXT SET")に含まれており、お求めの方はATJ各教室に問い合わせるか、こちら(ATJテキストセットのご案内)から購入ができます。

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