意識的調整

・・・・・・私の主目的はすなわち、人類の知的な能力を拡大することであり、そうして我らは意識的な調整(conscious control)をする方向へ成長する。

F.M.Alexander - 人類の最高遺産

アレクサンダーテクニークの創始者FMアレクサンダー氏の発見した原理の中心にあるものは、意識的な調整です。その学びの過程について考えてみます。

まず初めに自分自身がしている不必要なくせを認めることが必要になります。くせというのは無意識のうちに習慣的に繰り返されている行為のことなので、身体的な運動だけではなく、考え方・嗜好・階層・社会・職業・性別・人格・暮らし方など、それが及ぶ範囲は広いでしょう。そのくせに気づくために、今までのやり方新しいやり方を実験しながらその差を調べていきます。

次は気づいた不必要な習慣的にしていることを抑制する練習をします。習慣はスイッチを押すと電球がみたいに、しようと思うとすぐに現れます。習慣が起こるもっと前から予防的に抑制することで、それをやめていくことを学びます。

ワークを継続していくと、「楽な感じ」や「自然な感じ」、「不自然な感じ」や「不快な感じ」がするかもしれません。それはある状態から別の状態へ変わったことを知覚したからです。しかし、その感じについて独自の基準を用いて評価をしたくなるかもしれません。例えば、「正しい」感じや「自然な」感じなど、自分自身がそれまでの人生の中で形成してきた基準です。しかし、その基準にあてはめて正しく・自然だと感じながらやっていたことでこれまでの問題が起きていたことについて学んだので、そのような評価があてにならないことを知ります。

予防をしながら今までのやり方を抑制して新しい方向に進むと、継続しながら新しい方向を出し、一つずつ順番に進めていく必要があります。そうやって訓練していくと、一つしか道筋がないと思っていたものが、立ち止まって見直してみると2つも3つもあったり、そこでその道筋に進むこともできれば進まないことも選ぶことができると発見できるでしょう。自分自身が教師となってその時最適な手段を選択していきます。

そうしていくと心身にプライマリーコントロール(初めに起こる大事な調整)が現れてきます。それまでの自己の使い方も変わって、プライマリーコントロールが働いていくと、心身は本来の機能を取り戻していくことになります。

以上のように予防することで今までのやり方をやめ、新しいやり方をその時最適な手段で選択することで、そうすると心身の本来持っていた協調作用を取り戻します。心身である自己を通して起きていたものに対しても、間接的に影響していくことで変化する方向に進みます。自分自身が自分の教師となって意識的に調整していくことで、原因は減っていき、その結果として問題も減る方向へ進むでしょう。

教師は、そのためのお手伝いをします。

このテクニークには物事を丸ごとひっくり返してしまうような性質が内包されていると、いやというほど知っているからこそ、ここで私は発言を繰り返している。

J.Dewey - 『自己の使い方』 紹介文

当教室では創始者の著作も大事にしています。現在お譲りできるものは、ATJ出版部で訳された『人類の最高遺産』『建設的に意識調整するヒト』『自己の使い方』『アレクサンダーテクニーク・ワークブック』があります。詳細はお問い合わせください。


アレクサンダーテクニーク

アレクサンダーテクニークとは、オーストラリア出身の俳優であるF.M.アレクサンダー氏が発見した、意識を用いて自己調整する手法です。日常生活の中で心身(自己)の習慣に気づき、それをとらえ返していきます。問題の原因を追究し、心身が統合する方向へ行き、原因が少しずつ減るやり方を調べていきます。原因が減る方向へ行くと、結果として起きていた問題も少しずつ減る方向に行きます。

何か技術を学ぶのと同じで、レッスンの回数もいくらか必要となってきます。アレクサンダー氏の時代にアシスタントをしていたカーリントン氏は、次のように言っています。

・・・・・・我々が彼のためにアシスタント教師として務めたとき、我々が許可をしなかったレッスンをおこなう人は、最低30回通うことに同意しなかった人だ。通常、彼らが通うのは週5日を最初の3週間に、次に週3回、それから2回、1回と規定数を満たすまでやらなければならなかった。

Walter H.M.Carrington - Constructive Conscious Control of the Individual 前書きより

しかし、それぞれ事情もありますので1度お試しにやってみて、気に入っていただけたら週に1回ほどから始められてはいかがでしょうか。ワークの中では自習できるようなアイデアもお知らせします。継続して受けることで問題は解決する方向へ進みます。

変化に含まれる行為は抵抗を習慣的な生活におこなうことだ。

F.M.Alexander - Articles and Lectures

個人レッスンでもグループレッスンでも観察をしながら自己の使い方を変化・改善していくことになります。習慣に気づいてやめていくには時間がかかりますので、複数回の受講をおすすめしています。

こんな方におすすめ

  • 肩こり、腰痛など慢性的な痛みでお困りの方
  • 仕事をしていると体のどこかが痛くなる
  • 今上手くいっているけどもっと上手く行く方法を探したい
  • パフォーマンスの向上

などなど、応用は幅広くできます。

FMアレクサンダーとは

俳優として致命的な失声から復帰したアレクサンダーは公演しながら徐々に俳優業から教育業に移しました。オーストラリア時代(1894年~1904年)は主に呼吸法と演劇法を教えました。生徒には主に俳優仲間や友人の医師、医師から紹介された患者がいました。渡英後、熱心な医師の支持者が見つかり、同時に演劇界でも注目を浴びるようになってきます。世界大戦中はアメリカに疎開し、それをきっかけに、イギリスとアメリカで生徒と支持者を増やしていきました。イギリスの医師やアメリカのアカデミックな現場で働く支持者は評論や論文を発表し、公に紹介しました。

アレクサンダーは生涯で4冊の著作を残しました。『人類の最高遺産(Man's Supreme Inheritance)』『建設的に意識調整するヒト(Constructive Conscious Control of the Individual)』『自己の使い方(The Use of the Self)』『いつでも穏やかに暮らすには(The Universal Constant in Living)』があります。1946年に新版として出され1955年のアレクサンダーの死後、相続関係でもめた結果、1957年の発行を最後に彼の著作は絶版しました。絶版期間を経て2004年までに全著作の最終版が本国では復刊しました。2018年現在、日本語版は『人類の最高遺産(風媒社)』『建設的に意識調整するヒト(風媒社)』『自己の使い方(ATJ版)』がATJ各教室や書店で購入可能となっています。

下記はアレクサンダーの短い伝記です。歴史に興味がある方は下記のドキュメントを参照してください。

Frederick Matthias Alexander 1869-1955(要約)


マインドモデリング

マインドモデリングでは、意識的調整を応用して情報の取り入れ方や取り出し方について学びます。目的を明確にさせるところから始まり、その目的に至るまでの手段・手法をお伝えします。

マインドモデリングを練習していくことで、ものの見方や考え方が変わり、今までとは違う情報の取り入れ方・取り出し方を手に入れることができます。また、アレクサンダーテクニークも含んでいるので、練習をしていくことでより健全に高速学習が進みます。

マインドモデリングは、大抵2日間あれば一通りのやり方をお伝えできます。2日間の時間が取れない方は8日間でおよそ90分ずつ。それでも、お時間が取れない場合はもっと凝縮して・・・ということになりますが、授業のやり方はかなり異なります。

個人レッスンや複数回にわけて受講する場合は、レッスン計画を立てる必要があります。一通りマインドモデリングを学んだ後には、サボったり思い出したりしながらでも、ご自身で継続的な練習が必要です。グループレッスンでは一緒に学ぶ仲間もいるので、その後に復習会をしたり、再受講も可能です。

こんな人におすすめ

  • 今までとは違う学び方をしたい
  • 自己実現に使いたい
  • たくさんの資料があって困っている
  • 資格を取りたい
  • 試験がある

さらに詳しく


視覚から入る心身調整

マインドモデリング視覚統合のワークは「みること」にを入り口に、意識的調整を学んで心身を自己調整していくワークです。

みるという言葉の中身には、目から入る情報もあれば、想像の中の映像をみたり、あるいは出来事や計画について判断したり調べたりすることも、みるという言い回しをします。

過去に「姿勢を直せば視力が上がるの?」と聞かれたことがありました。そのように思ったときにご自身で問い返してみてほしいことがあります。「姿勢を直すとはどのような考えを持って言っているのか」、「ある見え方が全身の使い方に及んでいる可能性はあるのだろうか」、「あるいは全身の使い方が見え方に及んでいるという可能性はあるのだろうか」、「そもそも視力が上がるという意味は何を意味しているのだろうか」、「何を基準として視力が良いか悪いかを判断しているのですか」、「あなたの言う視力とは一体何を意味しているのか」、「もし今よりその視力が何らかの改善したならばやりたいことが何かありますか」と。

アレクサンダー氏の『自己の使い方』から引用します。

どの吃音者でも私のところへ来て助けてほしいと望んだ方には、「どもり」が身体のあらゆる部位に及んでおり、舌と唇以外にもいろいろな面倒が起きていると示した。

F.M.Alexander -『自己の使い方』

この吃音者を近視の人遠視の人、あるいは目が良いと思っている人などに置き換えてみるといかがでしょうか。

学ぶこと

  • これから学ぼうとしている「視力」とは何を意味しているのか。
  • 目から入ってきた情報がどのように処理されているのか。
  • 見え方と全身の使い方における相互作用はどのようなものか。
  • ある使い方がみることに及ぶことで、見え方や思い方、感じ方にどのような影響をするのか。
  • みるという行為と脳内のホルモン分泌の関係性についてどのようなことがあるのか。
  • etc.

コンタクトやメガネをつけている方は時間をかけて練習をすることで、それらを日常の中でつける時間が減る方向に行きますし、見え過ぎて困っている方には考え方が変わることで、物事の見え方が変わる可能性を提示できるかもしれません。また、ある使い方やメガネ・コンタクトを使うことによって起きていた問題、例えば肩こりや腰痛、気分などの不調に対しても、そのようなこと変わることで機能が影響して、みるということに対して思い直していくと、それらの問題も減る方向へ行くでしょう。

長年してきたことをやめていくのにそれだけの時間が必要になります。お問い合わせいただければスケジュールを組んでオーダーメイドで計画することもできます。仲間がいると励まし合って一緒に継続できるかもしれないのでお友達と2、3人で受講することもお薦めしています。また、イベントで1日(約6時間)かけて視覚統合に特化したワークショップを開催するときもあります。5、6人いれば出張にも応じます。お問い合わせください。


音楽ワーク

音楽ワークでは意識的調整を応用して、演奏をするやり方を学ぶことができます。演奏中の自己の使い方を調べ、問題の原因になっているものを追究します。また、音楽業界の中で「良し」とされている考え方、音楽の判断基準、演奏法や練習法についてもとらえ返していきます。

通常の教育手法のもとで、生徒の手に入れた19の悪いものは1つの正しい体験を得るためなのである。それはあべこべでなければならない。

F.M.Alexander - Articles and Lectures

必要な道具は持参してください。演奏のワークをしますが、『自然に演奏してください』的なワークと意識的調整のワークを並行していきますので、ご自身の演奏することに対する今までの考え方や評価の基準なんかもご自身で見直していくこともします。原因となっていることが減ることで問題も減り、予防もされるので演奏による障害も減る方向へ行くでしょう。これから音楽や演奏を始めたい方には、初めから予防的なやり方を進めながら演奏することや楽譜を読むことを学ぶことができます。教師のよく演奏している楽器はトランペットなので、トランペットを教えてくれと言われればそれもできます。ご相談ください。ワークではご自身で演奏していくやり方をお伝えします。

レッスンでは実際に演奏してもらう時間も含めています。曲をどうやって分析してくか、自己の使い方が変わると演奏が変わるのかを調べたり、今までとは違う考え方をして演奏をすると変わるのかを実験したりもします。演奏をしてすぐに違いに気づく人もいれば、自身の思っているような変化とはならずに不自然だったり、下手に なったと感じたり、差がわからないというようなことがあるかもしれません。そのようなときは、グループレッスンや事前に相談していただければお友達を連れてきて差 を聴いてもらうことも良いかもしれません。

意識的調整と自然に演奏してください的ワークを織り交ぜてやります。「自然に」という言葉自体にも議論がありそうですが、誰でもできるようなやり方で芸術に向かう方へ進んでいきます。同時に予防的にすることで、演奏に関連する障害なども減る方向へ行きます。知覚の変化も含まれてくるので、今までとは異なるやり方で演奏をされてみたい方はためしに受けてみてください。

・・・・・・ある人が植物の開花を理解しようとしたならば何かを見出さなければならない。それは相互作用が含めた土壌、空気、水、そして日光という植物が成長する環境について知らなければならないということである。

J. Dewey - 『経験としての芸術』

演奏できる会場を用意する必要があるので、演奏を必要とされる方は事前に連絡をしてください。その他レッスンの中で必要がある場合は、音楽理論や音楽史など演奏に必要な知識も学習可能です。

レッスンについて

会場を予約する都合がありますので事前にご連絡ください。会場をご用意していただける場合はこちらから訪問します。

こんな人におすすめ

  • 演奏中に痛みがある
  • 本番であがってしまう
  • 「らしい」演奏を求めてみたい
  • 楽器を始めたけど練習や演奏の進め方がわからない

レッスン形態

FMアレクサンダーは当該ワークについて「私のワークの基盤は抑制に置いている」と端的に述べています。レッスンでは様々なやり方で次のような手順を学ぶことができるでしょう。

  • 問題の原因となる習慣を認める
  • 問題の原因となる習慣をやめる訓練をする
  • 問題の原因となる習慣をやめながら新しい手段を訓練する
  • 一連の訓練を続けながら新しい手段で目標に向かう

当該ワークは自己(再)教育です。習得するためには時間と練習が必要になります。レッスンを受ける前にもっと詳しく知りたいと思われる方には創始者本人の著作をおすすめします。

個人レッスン

教師とマンツーマンで行います。1回のワークでは、アレクサンダーテクニークで利用されている手順と呼ばれるものをお伝えすることもあれば、個人的な問題も扱うこともあります。より深い問題を扱うなら、必要なだけの時間をかけることになるので、連続して受講したり、10回セットなどの複数回で対応できます。レッスン後に1人でも練習できるようなアイデアもお伝えします。

お友達やご家族でワークに興味がある方やお子様がおられる場合、事前にお問い合わせをしていただいてからであれば、見学や付き添いも可能です。

グループレッスン

2〜8人のグループで行います。グループでやることで、1人でやっていてわからないことや自分だけではわからない変化について発見できます。お友達やご家族と一緒に2〜3人で来られても良いですし、定期的にワークショップをしているところへ参加して頂いても構いません。他の人を観察することで多くの発見があると思います。ワークの進め方は個人レッスンとは異なります。

出張・訪問レッスン

通いに来られない方や地元で参加者が5~6人いる場合には出張レッスンもしています。個人でもグループでも可能です。1日分のレッスン代に、交通費・旅費などが追加でかかります。会場の手配が必要な場合は会場費も加わります。

その他

オーダーメイド方式なのでお問い合わせいただければ、受講の仕方に関する相談もできます。お気軽にお問い合わせください。


受講料

初回お試しレッスン6,000円30分(教科書『自己の使い方』を進呈)
通常個人レッスン10,000円55分(経験者・リピーター向け)
個人レッスンセット(5回)50,000円1回55分(ATJの書籍などオマケ付き)
グループレッスン10,000円3時間(少人数のワーク)
ミニグループ3,000円90分(少人数のグループお試しレッスン)
マインドモデリング30,000円2時間(個人もミニグループも可能教材・資料・グッズ付き)
マインドモデリング(2日間)50,000円1日6時間x2
(「ピンホールメガネ」などオマケ付き)
視覚から入る心身調整20,000円6時間(「ピンホールメガネ」付き)
出張・訪問日当60,000円全国どこへでもお伺いします。
(日当以外に必要経費などが発生します)

その他オーダーメイド方式でサポートします。お問い合わせください。


参加者の声

それぞれ個人の感想をまとめています。

  • 身長が高くなった気がする。
  • 他人の考えに左右されずに、自分で考えられるようになった。
  • 人混みが以前よりも平気になった。
  • 肩こりが減った気がする。
  • 別人が演奏しているみたい。
  • メガネを外した時の不安が減った。
  • 本を読むのが嫌いだったけど、平気になった。
  • 声がよく出るようになった。
  • 以前よりもあがり症が減ってきた。
  • 自分が思っていた目標よりももっと先に目標があった。
  • 「ない」感じがする

などなど。